「物事は66日間継続すると習慣化する」という説を聞いたことがありますか?
これまでは「約3週間続けたら」とされていましたが、どうやら「平均66日間」のほうが有力なようで、様々な本で見聞きすることもちょこちょこあります。
このブログを「1年くらい毎日更新してみよう」と思ったのが2018年8月頭。そこから毎日書き続け、気がつけばひとつの関門である66日間を過ぎていました。
そこで本記事では、66日間毎日ブログを更新し続け、その結果実際に習慣化が達成されたのかどうか、今どう思うのかについて書いてみようと思います。
目次
なぜ「66日間」続けると習慣化するのか?
そもそも、新しい習慣が身に付くまでには21日かかるという「21日ルール」というものがこれまで有力な説でした。
ですが、2009年にロンドン大学のフィリッパ・ラリー博士らが行った研究によると、1日1回新しい習慣の繰り返しを行ったところ、人によって18日〜254日間の個人差があるものの、平均して66日間でその習慣が身に付くということがわかったのです。
参考文献:「How are habits formed: Modelling habit formation in the real world」
この研究の場合は、例えばコップ1杯の水を飲むだとか、朝食後に軽い運動をするとか、そういったレベルの「行動」について行ったものなので、「ブログを書く」という複雑な行為とはちょっとギャップがあるかもしれません。
けど、何らかの「一連の行動を習慣化させるために平均して66日かかる」という結果自体は信憑性があるものなので、僕も66日という壁を意識してみようかなと思ったわけです。
シモツ
ちなみに、例えば試験期間中において一度だけその行動をおこなう機会を逃しても、長期的な習慣化の形成にはほとんど影響はなかったそうです。もっと興味がある人はぜひ、Abstractだけでも論文を読んでみてください。
「66日間」ブログを毎日更新してわかった3つのこと
では、実際に66日間ブログを毎日更新してみて分かったことを書いていきます。
その①:午前中にブログを更新するのが「当たり前」になってくる
これはかなり意識が変わった点です。
僕は普段、起きてすぐの午前中にブログを書くようにしているのですが、このルーティンがかなり板についてきたように思います。
そもそも、「毎日書く」と決めるまでは、「今日ブログを書くかどうか」という決断をくださなければなりません。ですが、「毎日書く」と一度決めてしまえば、その決断を下す必要はなくなり、あとは書くだけという状態になります。これが非常にラクでした。
【変化前】
「今日はブログを書こうかな?」→ 「どんな内容で書こうかな?」 → 実際に書く
【変化後】
「どんな内容で書こうかな?」 → 実際に書く (ショートカットできる)
僕はメンタリストDaigoが好きなのですが、彼の著書『自分を操る超集中力』に頻繁に出てくる考え方である「ウィルパワー(=決断するのに要するコスト)」は、この好例でしょう。「ブログを書くかどうか」を考えて決めるのは、実際かなりウィルパワーを消費するのだと思います。
その点、「必ず1日1記事書く」と決めて66日間実行してみると、少しずつブログを書くことが当たり前になってきます。
この感覚が「習慣化された結果」なのだとしたら、ある意味では習慣化は達成されているかもしれません。
その②:「書き始める」ことのハードルがどんどん低くなる
ブログを書いたことがある人ならわかる感覚だと思うのですが、しばらく放置していたブログで新しい記事を書くのは結構しんどいです。
難しいのは、特に「書き出し」の部分。
「あれっ、いつもこんな感じで書き始めてたっけ?」
「なんかヘタクソだな……、もっといい感じのリード文を書きたいのに…」
「書いてみたけど、冒頭の部分があまりしっくりこない…」
などのように、なかなか納得のいく文章が書けず、その部分で無為に時間を費やし、結果「やーめた!」と書くこと自体を諦める、ということになりがちです。
これは、高校物理の内容を思い出してもらえればイメージしやすいかと思います。
現在止まっているものをある速度Vで動かすのに要する力と、現在動いているものをある速度Vで動かすのに要する力は、異なります。
一般的に最大静止擦係力のほうが、動摩擦力より大きく、ブログに言い換えると「書き続けている状態のほうが、新しい記事を書くのに必要なコストは低い」といえるのです。
66日という期間は、十分に「書き続けている状態」といえると思うので、継続して更新していない場合と比べて、遥かに書きやすい実感はありますね。
その③:極論、劇的な変化は特にない
ここで最後、ちゃぶ台を返すようなことをいいますが、66日間ブログを更新して得られた変化としては①、②が最も大きく、逆に言うとそれ以外に目立った変化はありませんでした。
「記事の構成がパターン化する」とか「画像素材を探すスピードが速くなる」とか、些末な部分で上達したことはいくつかありますが、影響としては小さいです。
また、①、②については当然「そうなるだろう」と予測できるような内容だったので、結果をぶっちゃけると「66日継続したことで、劇的な変化があるとは言えない」ということになりそうです。
これは推測なのですが、もとの研究で平均して「66日」で習慣化する行為に比べ、「ブログを書く」という行為は複雑な決断の連続です。なので、無意識レベルで身に付くには、もう少し(それこそ1年とか)時間がかかるんじゃないかと思いました。
ただ、少なくともこれが分かっただけでも、僕にとっては大きな収穫でした。
「たかだが2ヶ月ブログを続けた程度では何も変わらない」と。
毎日更新する上で決めている自分ルール
最後、余談になりますが、僕が毎日ブログを更新するうえで決めているルールを書いてみたいと思います。
「毎日書く」こと以外、思考停止しない
毎日書くのは、「1年で365記事程度、いくつかのカテゴリに分けてブログ記事を更新したら(アクセス的に)どうなるんだろう?」という実験的な意味が大きいです。
なので、単に毎日記事を更新するのでは意味がなく、ちゃんとそれぞれの記事がコンテンツとして機能しなくてはなりません。
そういった意味で、決めているのは「毎日1本書く」ということだけであって、記事を作る上では思考停止しないように気をつけています。
例えば、「1記事平均して3,000文字以上書く」とか「各記事は、書く前にターゲットと読後の行動を設定する」とか、そういう工夫などです。
一喜一憂しない
細かな感情の揺らぎは、何かを継続するうえで邪魔でしかありません。なので、モチベーションが上下しないよう、意識的にコントロールする必要があります。
例えば、ブログをやっていると気になるのが「日々のアクセス数」。
日によって情勢が大きく変動するトレンドブログの場合は別ですが、書いてから結果として反映されるのに2〜3ヶ月以上かかる僕のようなブログにとって、日々のアクセスで一喜一憂するのは無意味です。
これは、常に「3ヶ月後どういう状態にしていたいか(保っていたいか)」を考え続けることである程度コントロールできることが分かってきました。
このあたりは「ブログが続かない人に教えたい。ブログで挫折しないたったひとつの視点とは?」にも近い内容のことを書いています。
やりすぎず、やらなさすぎず
これも気をつけている点のひとつ。
調子がいい日は「今日は2記事目書いちゃおっかな〜〜」なんて思うこともあるのですが、そうやって貯金を作ることはせず、毎日ほとんど一定の時間、ブログを書くことに割くようにしています。
やりすぎることで体調が悪化するのがいちばんのリスクなので、コンスタントに物事を進めるように意識的に動いています。長期的に見ると、1日〜2日の頑張りってほぼ無視できるほど小さいので、常に80%くらいで走り続けられるようにしています。
このあたりの考え方は、作家の森博嗣さんの考え方に大きく影響を受けているので、興味がある人はぜひ彼の本を読んでみてください。
まとめ
というわけで、66日以上毎日ブログを書き続けてみてわかったことを書いてみました。
こうやって振り返ると、「習慣化」することそのものより、「習慣化」のために必要な考え方がインストールし定着していることほうが遥かに影響度は高そうだなと思いました。
物事がなにも続かない…、という人の参考になれば幸いです。
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