ネットラジオを個人で配信するにあたって最初のハードルになるのが「機材」の問題です。
実際に、「ネットラジオやってみたいけど、どんな機材が必要なのか分からない…」と悩む方も多く、ちょこちょこそうしたご相談をいただくこともあります。
これを書いている僕はこれまで「ShimoQuiRadio」というネットラジオを2人で1年間続けてきて、ソフト/ハードの両面でいろいろ試行錯誤してきました。
そこで、個人でネットラジオを配信するにあたり、だいたい必要な機材、ソフトがわかってきたのでまとめてみようと思います。
- ネットラジオを個人で配信したいが、必要な機材やソフトがわからない…。
目次
個人のネットラジオ配信に必要な道具、ソフト
個人のネットラジオ配信に必要な機材、ソフトは基本的に次に挙げる5つです。
なお、PCはMacを想定しており、それに伴い使用するソフトもMac環境で使用できるものを選択しています。
PC
PCは主に音声の録音、編集、音源のアップロード時に使用します。
編集を行う際には「mp3」「m4a」「wav」などのファイル形式でおこなうので、それらの形式にできるファイルで保存すればOKです。
極論、iPhoneのマイクやICレコーダーなどで録音し、それを編集ソフトに取り込んで編集するというのも可能です。
ですが、データのやり取りが面倒なので、僕らの場合は直接PC(Mac)で録音し、そのなかで編集まで一気通貫しておこなっています。
音声の編集にはそこまでのスペックを必要としないので、金額にして10万円程度のPCがあれば大丈夫です。
マイク
マイクは実質音質のほとんどを影響するくらい重要です。ネットラジオを配信するならぜひ1台買っておきましょう。
実際、僕らは最初の数回はマイクなしでPCに直接話していたのですが(Macの場合はPCに内蔵マイクがあるのでそれを使用していた)、やはり、音の明瞭さやノイズの少なさといった点で専用マイクを使ったほうがいいと思います。
ちなみに、僕らがそれぞれ買ったのは下記のような据え置き型のタイプのマイクです。音声配信だけでなく、ゲームの実況などにも使われるようなマイクですね。
SONY エレクトレットコンデンサーマイクロホン PCV80U ECM-PCV80U
ShimoQuiRadioがスポンサーについては「polcaでネットラジオ「#ShimoQuiRadio」の個人スポンサーを募集します! 1口500円から。」の記事に詳細を書いているので、スポンサーについて興味がある方はぜひ読んでみてください。
個人の音声配信には据え置き型よりも、ヘッドセット型の方が適しているかも
ただ、最近気づいたんですが、個人での音声配信となると自宅での収録が想定されるので、下記のようなヘッドセット型のマイクのほうがいいかもれしれません(まだ使ったことはありません)。
というのも、自宅での収録だと、部屋内の反響音をマイクが拾っちゃうんですよね。カラオケルームでの話し声みたいなイメージです。
この反響音はずっと聞いているとちょっと気になってくるので、無いに越したことはありません。
なので、できるだけ口と集音器が近いヘッドセットタイプの方が、そうした反響音が抑えられるはずなので、こちらのほうがいいかなと。
今使っているマイクが使えなくなったら、次はヘッドセットタイプにしようと思っています。
録音ソフト(QuickTime Player)
録音ソフトには、Mac純正のソフト「QuickTime Player」を使っています。Macを使っている人なら、すぐに無料で使えます。
手順は簡単で、まずQuickTime Playerを立ち上げ、「ファイル」>「新規オーディオ収録」をクリックします。
するとオーディオ収録画面が表示されるので、中央のRECボタンを押すだけ。これだけでマイクからの録音が開始されます。
サウンド環境で入力装置が「内蔵マイク(外部マイクを使っている場合は、そのマイクを)」を選択する、という点にだけ注意してください。
録音自体は、「QuickTime Player」で全く問題なくおこなえるので、普段これを使っています。
音声編集ソフト(AdobeAudition)
これはぜひとも入れて欲しい、というのが音声編集ソフトの「Adobe Audition」です。
もう、ほとんど必須といっていいと思います。僕はこれがないと編集作業は全くできません。Auditionがないと話になりません。
Auditionでは、
- 音声の統合(2人それぞれの話した音声ファイルを統合します)
- 音量の調節
- ノイズ除去
- 効果音の追加
- BGMの追加
という、音声編集に必要な作業のほとんどを行っています。
特に、Audiitonのノイズ除去機能は強力で、ほとんど数クリック(時間にして数十秒)でかなりのノイズを除去できます。これがめちゃくちゃ便利で、僕がAuditionを手放せない理由のひとつです。
Auditionのノイズ除去機能については、ノイズ除去ビフォーアフターの実例も交えて「Auditionで音源のノイズを除去する方法(ノイズリダクション)」の記事でご紹介しているので、その効果をぜひ体感してみてください。
ノイズ除去だけでなく、音声のズレの調整やBGMの追加など、個人レベルのネットラジオでやりたいことはすべて実現できるので、ぜひ使いこなせるようになっておきたいソフトのひとつです。
【必要に応じて】通話ソフト(ZOOM or skype)
複数人で話す場合は、「ZOOM」や「Skype」といった音声通話ソフトを使うと便利です。
僕らの場合は、ZOOMでオンライン通話しながら、その音声を各々のPCでQuickTime Playerを使って録音するという手段を取っていますので、必須ソフトです。
ちなみに、ShimoQuiRadioの制作の工程については、「「ShimoQuiRadio」はどうやって作ってる? ネットラジオの企画、収録、編集、配信について紹介します。」の記事に詳細に書いていますので、こちらもぜひ。
最近ですと、Appear.inやLINE等でもオンラインでの音声通話は可能ですが、いろいろ試してみた結果、安定性や音質の高さから「ZOOM」に落ち着きました。
ZOOMではオンラインでのやり取りがとても楽なので、ラジオ収録だけでなく、オンライン飲み会をするときにも使いますね。
Macを使っている人なら、買う必要があるのはAdobeAuditionとマイクのみ。
以上、個人ネットラジオ配信に必要な機材とソフトをまとめてみましたが、特にMacを使っている方の場合、改めて買う必要があるものは「Adobe Audition」と専用のマイクくらいです。
Audiitonについては、AdobeCCなどに加入すると、月額1,000円台から利用可能ですし、マイクも2,000円〜3,000円と低価格でそこそこいいものが買えますので、初期コストは結構低いといえそうです。
長時間聴いてもらうために、編集にはある程度コストかけたほうがいい
実際に1年ほど自分たちでネットラジオを配信してみたり、他の人が運営しているネットラジオを聴いたりしていると、やはり「編集作業」にはそれなりにコストをかけたほうがいいんじゃないか、と思います。
中には、雑音がひどかったり、咳などムダな部分をそのまま残してある場合もある
というのも、明らかにノイズが乗っていたり、雑音が気になる環境での収録だと、どうしてもそればかり気になってしまって、内容云々の話ではなくなってしまうんですよね……。
細かい「間」まで全部カットした方がいいとはいいませんが、ムダ長過ぎる間や咳、連続のくしゃみなど、明らかにカットした方がいいものや、分かりやすいノイズくらいは除去しておいた方が、リスナーとしては聞きやすいです。
例えば、ちゃんとした環境で収録されている「オトバンク」などの音声コンテンツを聴いていると、そうした違和感、ストレスってゼロですよね。ここまでいくとプロの仕事ですが、できるだけ「ストレスのないコンテンツ」を目指したいと思っています。
この作業は超地道で、途中「めんどくせー!」ってなる瞬間もありますが、このきめ細やかさが、コンテンツのクオリティに反映されるので、個人的には時間のゆるす限り、丁寧にやっていきたいと思っています。
ちなみに、僕は一度編集作業をはじめてしまうと細かいところが気になってしまうタイプで、1時間の音源に対して3〜4時間かけて編集することもあります。「ムダだろ」って言われちゃうかもしれませんが、それ自体が楽しいので、全然苦痛じゃないんですよね。
まとめ:ネットラジオに必要な機材は意外に少ない
ということでまとめです。
「個人でネットラジオ配信」というと、大げさに聞こえますが、必要な機材はほとんどありません。マイクやAuditionはクオリティを上げるためにはあったほうがいいですが、極論、ネット環境とPC1台あればできちゃいます。
なので、少しでも「ネットラジオやってみたいな〜」と思っている方は、気軽にはじめて、気軽にアップしてみてください。
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