今や、多くの会社がコーポレートサイトに取り入れ、日夜更新しているのが会社ブログ。
コーポレートサイトそのものがブログ形式となっているLIGの「LIGブログ」や、代表の糸井重里さん自ら毎日更新している株式会社ほぼ日の「今日のダーリン」、社員の日報を発信するというスタイルをとっている株式会社ベイジの「ベイジの日報」など、さまざまな会社で、さまざまな形で活用されています。
ご多分に漏れず、僕らの会社でも「ラキブラブログ」というブログを立ち上げ、創業時から約1年半以上書き続けてきました。雨の日も風の日も、インフルエンザにかかった日も、親戚が不幸にあった日も、毎日欠かさず更新してきました。
そして、このように書き続けていると、少なからず得られることと失うことが出てきます。
この記事では、僕らのようなベンチャー企業が、毎日ブログを書き続けて得たことと失ったことをそれぞれ紹介してみようと思います。
これからブログを立ち上げようと思っている創業して間もない会社の方や、すでにブログを開設しており、その継続や更新頻度について悩んでいる方の参考になれば幸いです。
目次
会社ブログ「ラキブラブログ」を600日以上毎日更新してました
僕らの会社では、「ラキブラブログ」というブログを2016年8月7日から毎日更新してきました。日数にして、601日です。
ラキブラブログ – Lucky Brothers & co. | Lucky Brothers & co. のメンバーが毎日書いているブログです。
運用としては、基本的にはメンバー2人で交互に更新するというルールです。
都合によって代筆をお願いすることもありましたが、それでも更新しなかった日は一度もなく、絶えることなく書き続けてきました。
なぜブログを毎日書き続けていたのか?
このブログについて「なぜ、毎日書くようになったのか?」とよく聞かれますが、ブログを立ち上げたときに「毎日更新する」というルールに決めたからです。
「書きたいときに書く」というルールだと、おそらくほとんど書かなくなる、と僕らは考えました。
ブログの更新の有無に選択余地を与えると、「今日はブログを書くかどうか」ということをまず決めなくちゃいけません。
そのコストが、意外にもけっこう大きいのです。これは毎日続けていくならなおさらで、どんどん積もり積もっていきます。
「毎日書く」と決めたら、あとはそれを守るだけでいいので、選択コストがゼロになってラクなのです。
あとは、「ほぼ日」が毎日更新しているを見て、「なんか毎日更新するのっていいよね」と思ったというのもあります。めちゃくちゃ楽観的なのですが、はじめは本当にそんな感じでスタートしました。
ブログの内容は、日々の仕事のなかで気がついたことや、技術的トピック、会社の方向性についての検討など、ジャンルはさまざまです。
そんなに重いテーマのものは多くなく、400〜1,000文字で書けるような内容のテーマがほとんどです。
見込み顧客の開拓や、商品の受注といったコンバージョンを目的としたブログではなく、あくまで会社の近くにいて、いつもちょっと気にかけてくれている方々に向けてのメッセージ的な意味が強いです。なので、KPI等はありません。
例えば、こういう記事を書いてきました。
「オフィスに遊びに行く」の正解がわからない。 | ラキブラブログ – Lucky Brothers & co.
「何故そうしたいのか」までを意識したコミュニケーションをとる | ラキブラブログ – Lucky Brothers & co.
叱ってくれる人がいない問題 | ラキブラブログ – Lucky Brothers & co.
ちなみに、現在は毎日更新はストップしています
勘の良い人はここで気がついているかと思いますが、ブログを「書いてきた」とところどころ過去形で表現しています。
そう、現在は毎日更新は一旦ストップしており、「書きたいときに書く」というルールに変更しています。
本記事ともリンクするのですが、その顛末については以下の記事に書いてあるので、ぜひ読んでみてください。
今後のブログの方向性について | ラキブラブログ – Lucky Brothers & co.
会社ブログを毎日更新して得られたこと3つ
それでは、まず得られたことからご紹介していきます。
まず、ブログを通して会社のファンが増えたり、少しでも「おもしろい会社だな」と思ってもらえるようになったことですね。
間違いなく、これが一番大きいと思います。毎日ブログを書き、SNSで発信し続けていると、どんなに数は少なかろうと1人や2人は意外に読んでくれているものです。
僕らのブログでも、1記事で10,000PVを超えるような目立ったバズが起きたり、大きな反響を呼んだことはありませんが、毎日ちょっとずつ「いいね」をくれる方々が増えてきました。
そうやってリピーターが増え、結果的に会社のサービスや制作実績について興味を持ってくれる、ということが起きました。
特に、地方で毎日ブログを更新している会社なんてほぼゼロなので、それだけで目立てていた、というのは大きいです。
地方で仕事するメリットは「ポジションがすぐに取れること」次に、「毎日ブログを書いている」という信頼感の醸成です。ただ毎日何らかの情報を発信しているだけなので、さほど大きな効果とはいえませんが、じわじわ効いてきます。
僕らのようなちょっとふざけたコーポレートサイトを持つ会社だからこそ、「この会社…、大丈夫?」という不安を払拭できる要素をつくっていくことが重要だったのです。
3つめは、ちょっと薄いですが「会話のタネ」になることでしょうか。
僕も逆の立場であればすごく共感するのですが、「ブログを毎日更新している」というトピックは、会話の入り口としてすごくふさわしいんですよね。
あまり当たり障りがないので、真っ先に触れやすいのです。相手が話しかけやすテーマを提供できている、ということです。
これは、会社ブログだけではなく、個人ブログにでも言えることだと思います。
たとえば、目の前にいる人が毎日ブログを更新しているブロガーだったり、毎日インスタで特定のテーマの写真をアップしているインスタグラマーだったら、まずそれについって突っ込みたくなりませんか?
それと同じで、ブログの毎日更新は、取っ掛かりやすいテーマのひとつなんだと思います。
【余談】失ってもいないが、得られなかったこと
明確に失ってもいないけど、得られなかったこととしては、「案件の受注」です。
僕らのブログは、見込み顧客に対して、自分たちの商品/サービスを積極的に売っていく内容ではなかったので、ブログ経由での直接の案件(Web制作)の受注はほぼありませんでした。
また、検索流入もまったく意識していません。コンテンツSEOも、サイト内部SEOも、完全にそれを無視した設計にしています。やはり、あくまで、僕らのことを応援してくれる方々へのメッセージなのです。
もちろん、案件を発注いただいた方から「ブログ読んでるよ」を声をかけていただくこともありましたが、それこそまさに「会話のタネ」的ジャブだと思います。
ただ、ブログで発信し続けることにより、単純に画面越しの接触回数が多く、気になって連絡してみた、というケースは少なくないかもしれません。どこまでブログの影響があるか測りづらいので、いったん無視しています。
会社ブログを毎日更新して失ったこと2つ
次に、失ったことですが、まず最も日々の生活に与える影響が大きく、ネックになってくるのが「時間」です。あまり言うまでもないことかもしれません。
僕の場合ブログ記事の執筆にかかる時間は、だいたい15分〜45分程度だったのですが、2日に1回必ずその時間を確保しなきゃいけない、というのは結構な時間的コストです。
読書に換算すると、新書3〜4冊くらいは読めちゃうような時間です。
もちろん得たこともありますが、「毎日これだけの時間を費やしてやるべきなのかどうか?」という疑問はずっとついて回っていました(その結果、や毎日更新をストップしました)。
2つめが、「腰を据えて、重量感のある記事を書く労力」です。これはどんどん失われていきます。
毎日書くとなると、必然的に短時間でライトな内容にしていかざるを得ません。普通の人にとって、重量感たぷりの記事を書き続けるのはあまりに労力がかかり、続かないからです。
ライトな記事を書き続けるにつれて、思ったことを言語化し、サラッとテキストにしていく術は身についていきます。しかし、より掘った、芯を喰った深い記事を書いていくのはかなりハードルが高いことなのです。
リサーチとかも、もちろん時間かけられないですしね。
毎日ブログを更新することで失ったことは、自覚している限りではこんな感じでしょうか。
まとめ
得られたことも失ったことも、おそらく気がついてないだけでもっともっと出てくると思います。ですが、現時点で振り返る限り、上記にあげたとおりだと実感しています。
このように毎日続けてきて、得られること、失うことのバランスを勘案し、僕らの場合は毎日更新をストップしました。
これ、もしかしたら会社→個人に置き換えても、ある程度おなじことが言えるかもしれません。
まずは、ブログを運営する目的を明確にし、ゴールを設定したうえで、どの更新していくべきか考えるのがよいと思います。その際は、今回の記事の意見を参考にしていただければと思います。
ちなみに、個人ブログを書き続ける理由は以下に書いています。これはちょっとまた次元の違う話になってます。
ブログを書き続ける理由は、Webディレクション力向上のためです
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