僕らの会社にはデザイナーがいないので、普段ウェブの受託制作をおこなう際には、ほとんどの場合フリーランスのウェブデザイナーの方々(いつも「パートナー」とお呼びしています)と一緒にプロジェクトを進めていくことになります。
会社の一期目が終わりました。2016年に会社をつくって1年半以上が経ちましたが、最近は「制作会社は個人クリエイターに選ばれる時代になるんじゃないか」という思いを強めています。
今後、どんどんあらゆる職種において個人クリエイターが増え、制作会社と一緒に仕事をするようになると、個人クリエイターは好きな制作会社を選んで一緒に仕事をしていくようになるんじゃないかと。
そして、この流れはどんどん加速していくんじゃないかと思っています。
組織に所属しないソロクリエイターが増加
改めて言うまでもなく、今どんどん”個”の時代へと移り変わっています。
力のあるクリエイターは、ひとつの組織に縛られることなく、フリーランスとして自分の思うように自由に働いたり、プロジェクト単位で気の合うクリエイター仲間とチームになって働いたり。
僕がよく知る『灯台もと暮らし』の編集部のメンバーも、設立当初こそ全員正社員でしたが、今ではどんどんその働き方が多様化し、副業としてメディアの運営に携わっているメンバーも増えているようです。
つまり、正社員という形にこだわらず、あくまで「編集部メンバー」として集まっているのです。
「もとくらの深夜枠」でWaseiメンバーへのインタビュー全文が公開されています。参照:チームでより高い山に登るために。「ソロで生きられる力」を身につける重要性。 | 隠居系男子
そして、この流れはどんどん加速していくことでしょう。これは制作会社として、一緒に仕事をする人を常に探している僕のような立場からすると顕著にあらわれています。
クリエイターは、働く相手をシビアに選ぶ
組織を離れたクリエイターが一緒に仕事をする相手は、同じソロクリエイターか、もしくは制作会社です。
自ら、プロダクトやサービスをつくってマネタイズしていく、ガチのソロクリエイターもいますが、どちらかといえばマイノリティでしょう。多くは、僕ら制作会社のように、クライアントから仕事を受注し、納品することでフィーを得ているという構図でしょう。
たいていの場合、制作会社がクリエイターに依頼し、一緒にプロジェクトを進めていくという流れになります。しかし、ここで「有能なクリエイターは有限なので、引く手数多すぎて依頼できない」という問題が生まれるのです。ライターやカメラマン、デザイナーに仕事を発注したことがある人には共感してもらえると思います。
制作サイドは、ソロクリエイターに発注して仕事を進めていかないといけない場面が増えているのに、ほんとにクオリティの高いアウトプットを出せるクリエイターは数が限られているので、まず発注する段階でハードルがあるんです。
また一般的に、レベルの高いクリエイターほど単価は高く、プロジェクトにも求めることが多い(短納期はNG、完全リモートのみ可、など)ので、それをクリアしない限り、そもそも一緒に仕事をしてもらえないんですね。
今では、「自分がやりたいと思える仕事かどうか」「社会的に意義がある仕事かどうか」「好きなメンバーと一緒にできるかどうか」と、報酬以上の面を気にするクリエイターも増えてきていることもあり、つまり、制作会社はどんどん選ばれる立場になっていくんじゃないかと思います。
クリエイターが「一緒に仕事をしたい」と思える会社に
こんな時代に、制作会社に求められるのはクリエイターに「一緒に仕事をしたい」と思ってもらう会社になることです。
最近では、「社員はお客さん以上に大切にし、会社と良好な関係を保つことが大事」なんてことも言われていますが、それと全く同じこと。
だから、「仕事を振ってやっている」なんてスタンスはもってのほかだし、報酬を含めて、十分な対価を支払うことがより求められていくんじゃないかあと。
制作会社に勤めている方、クリエイターに仕事を発注する立場にある人の参考になれば幸いです。
会社の評判って意外と流通していることが多いので、「あそこは地雷らしいよ」みたいな噂が流れると結構きつい状況になるんじゃないでしょうかね。
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