2017年の2月に4年間住んだ東京から、学生時代ぶりに鹿児島にUターン移住してきて1年が経ちました。
これまでいろいろこのブログにも生活面や趣味の面で書いてきましたが、僕が仕事の面で特に強く感じていることがあります。
それが、「地方は圧倒的に仕事でのポジションが取りやすい」ということです。
僕は株式会社Lucky Brothers & co.というウェブ制作会社をやっているんですが、地方におけるポジションの取りやすさにものすごく助けられていると感じています。会社ごと移転するという決断をせず、そのまま渋谷のコワーキングスペースで活動し続けていたら、間違いなくいまの形はないと確信しています。
これは、会社という組織だけの話ではありません。例えば、個人事業を行っているフリーランスの方や、副業でなにかビジネスをおこなっている会社員でも同様のことが言えると思います。
そこで今回は、地方におけるポジションの取りやすさを実例を交えてお伝えしたいと思います。
目次
前提:「ポジションを取る」とは「◯◯といえばあの人」の図式が成立すること
そもそも「ポジション」とは、「位置」とか「地位」という意味を持つ言葉です。
この記事における「ポジション」は、マーケティング用語辞典で解説されている内容が近いと思うので引用してみます。
(1)広告業界では、広告が表示されるページ上の位置。出版物のフロントページ、真ん中のページ、バックページなどの位置づけに関係する。(2)マーケティングでは、競合他社の製品やサービスと比較して、ある製品やサービスの認知を管理する目的のマーケティング戦略。
(2)の意味がわかりやすいですね。ある対象に対して、他の対象との差異や優位性を認知するためのものとして「ポジション」という概念が使われることが多いです。
これを身近な例で説明すると、例えばある人を思い浮かべるときに「◯◯といえばあの人」という図式が成立するとします。このとき、その人は「◯◯」というポジションを獲得しているといえます。
なんでもいいですが、具体的には「カレーがめっちゃ好きな人」とか「カラオケが好きな人」、「写実的なイラストがものすごく上手な人」などでしょうか。
これは極端な例ですが、僕個人としては「ポジションを取る」とはこういう状態にあると言い換えて差し支えないと考えています。
「ピザがめっちゃ好きな人」でポジションを取っていた前職時代
超余談ですが、前職時代は「ピザが好きな人」というポジションをとっていました。
定期的に社内のSNSに美味しかったピザの店の情報や写真をアップし続けていると、いつしか「ピザといったらシモツくん」みたいなふうに言われるまでになりました。
そういえば昨日、違う部署の話したことない方とエレベーターで「あっ、ピザ情報の人!」と言われた。
— シモツ@鹿児島 (@shimotsu_) May 11, 2016
別に打算でもなんでもなく、好きに投稿していたらこうなったわけなのですが、こうやってなにかしらポジションを取ることは結構強みになったりするんです。
例えば、企画会議のブレストのときにアイデアを考えやすかったり(勝手にピザに紐付けて考えてた)、オススメのピザ屋について聞いてもらってちょっとなかよくなったり、シンプルに覚えてもらいやすかったり。
それがたとえどんなポジションでも、「◯◯=あの人」が成立した時点でひとつアドバンテージになるんですよね。
地方の「ポジションの取りやすさ」は都会とは段違い
このポジションは、特定のコミュニティにおいて人の母数が少なければ少ないほど取りやすいです。部員100人の野球部でスタメンになるより、部員20人の野球部でスタメンになるほうがカンタンなのと同じことです。
そして、これは都市においてもいえるということに気が付きました。
つまり、人が多い都市部より、人が少ない地方の方がポジションを取りやすいということ。
たとえば、今東京都民の人口は約1,400万人。対して、鹿児島県の人口はたったの170万人です。東京都の約12%の人口しかいません。
なので、人口が少ない分人の多様性も少ないと考えられるので、鹿児島の方が圧倒的にポジションは取りやすい。これは感覚的に分かってもらえるんじゃないでしょうか。
東京で「カレー好きなブロガー」の数はめちゃくちゃいますが、鹿児島だとおそらく数える程度でしょう。そしてこれはニッチなジャンルになっていけばなるほど、傾向としては強まっていきます。
ぼくらの場合は「ファニーなデザイン」×「ウェブ制作会社」
僕らの会社の場合は、「ファニーなデザイン」「ウェブ制作会社」という2つの要素の組み合わせでポジションを取っています。
参考:Lucky Brothers & co. (ラッキーブラザーズ)|鹿児島・東京のWeb企画・制作会社
実際、お客さんからご連絡いただくときに、
「Lucky Brothers & co.ならおもしろくてかわいいウェブサイトを作ってくれそう」
「Lucky Brothers & co.はないけど、なんかおもしろい企画から作って欲しい」
と言っていただけることがどんどん増えてきて、「Lucky Brothers & co. = おもしろいウェブサイトを作る人たち」という見方をしてもらえているという実感があります。
おそらく、東京で同じ期間続けてきていても、同じ状況にはなっていなかったでしょう。なぜなら、東京には僕らと同じくらいファニーで、かわいくて、技術力があって、企画力があるウェブ制作会社はたっくさんあるからです。
鹿児島には、そもそもウェブ制作会社がそんなにありません。そのなかで、なにか尖った特徴がある制作会社があれば、すぐに、比較対象にしてもらって目立ちやすいんですよね。
ポジションが取れると、仕事につながる。
ポジションが取れるとどうなるかというと、相談ベースの問い合わせが増えてきます。
「◯◯を作りたいんだけど、どうすればいい?」
「◯◯のおすすめってなに?」
といった「相談」が増えてきます。これは、一定のポジションを取った人だからこそ、「あの人に聞けば教えてくれる/解決してくれる」という安心感からくるものです。
たとえば、鹿児島でおいしいラーメン情報を知りたければ、鹿児島でめちゃくちゃラーメンを食べまくっているラーメンブロガーに聞くのが一番でしょう。それは、そのラーメンブロガーの持つラーメンに対する権威性がそうさせているのです。
その他、地方の場合は都市部と比べて、テレビやラジオ、新聞、雑誌と言ったメディアにも比較的低いハードルで出させてもらえます。なので、なにかポジションを取っていれば、番組で特集が組まれたり、記事として紹介されることもあるでしょう。
\新聞掲載/
だいやめキッチンについて、西日本新聞社にて本日取材記事が掲載されました〜〜!🎉🎉これまでのなかでは、でもっとも大きいサイズ! 読み応えがある内容! 不敵な笑み!
この3ヶ月でテレビ、ラジオ、新聞と3大メディアで紹介していただいたので、あとはやってこの精神でやるだけ!🍶 pic.twitter.com/I4PqRKt0im
— シモツ@鹿児島 (@shimotsu_) March 2, 2018
「カンタンおつまみ」×「動画」でポジションを取り、テレビ番組に出演するように
いまでは、僕らが運営している晩酌の定期購入の「だいやめキッチン」というサービスで、普段配信しているおつまみレシピを月1回テレビでも紹介させてもらっています。
【祝】テレビでワイプデビューした! pic.twitter.com/4fFmsExZn7
— シモツ@鹿児島 (@shimotsu_) March 15, 2018
これは、僕らがやっているサービスが、鹿児島という地方においてブルーオーシャンだからこそ成立しているものだといえます。
この「だいやめキッチン」については、
- まだ20代の若者
- Uターン移住者
- 地域の焼酎を取り扱った新サービス
ということで、珍しがってもらい、新聞社には4回記事にしてもらい、テレビ、ラジオにも何度か出演させていただきました。
このように、地方においてはユニークなポジションが確立できていれば、メディアにも雪だるま式に波及していって、さらにより多くの人に見てもらえるという好循環が生まれるんですね。これもポジショニングの賜物です。
「だいやめキッチンについてもっと知りたい」という方はこちらをどうぞ。
まとめ
「ポジションをとれ」とは、いまやもうどこでも言われていることです。そして、それは都会より地方の方が圧倒的に獲得しやすいのです。
もしあなたがこれから地方でなにかチャレンジしようと思っていたり、現在すでに動いているというのであれば、「◯◯といえばあの人」と思われるようなポジションを獲得するのを目指すことをおすすめします。
僕の移住に関する記事についてはこちらをどうぞ。
[…] 地方で仕事するメリットは「ポジションがすぐに取れること」 […]
[…] 個人としてポジションをとることは、今の時代、もはや人生設計としてかなり重要だと思っています。詳しくは「地方で仕事するメリットは「ポジションがすぐに取れること」」の記事にも書いていますのでぜひ。 […]