近年、SlackやChatWork、FacebookMessengerなどいろんなチャットツールが登場してきましたが、Webディレクターにとって、いまだに「メール」は根強いコミュニケーションツールのうちのひとつです。
To/CCなどの送信宛先の関係性が明確に表れますし、「証拠」としての機能も持っており、特に大きな企業になればなるほど「基本的なやり取りはメール」というルールの会社は多いのではないでしょうか。
(僕が以前勤めていた、150人程度のWeb系の会社も基本の連絡ツールはメールでした。また、杜氏SlackはNGで、ChatWorkはOKという謎の境界線もありましたね。)
ただ「メール」とひとくちに言っても、意外にその書き方は千差万別あるものです。
上手に要件を伝えるためのメールが書ける人と、単に書き方が下手で、自分の考えをあまりうまく伝えられない人に分かれます。
特にWebディレクターは、メールでのやり取りが多い職種。「メールをうまく書けるかどうか」は、クライアントや外注先のメンバーと円滑なコミュニケーションが取れるかどうかに大きく関わってきます。
そこで今回は、僕がこれまで見てきたWebディレクターやプロジェクトマネージャー、プロデューサーの方々のメールから、「これは使える!」と思って取り入れている上手なメールの書き方をご紹介します。
1. メールの要件は1通につき1件までとする
メールを書くのがうまい人ほど、さらっと要件のみに触れ、文章量も短いものです。
ダラダラと書いていないので、相手もどこがメールのポイントかを理解しやすく、論点がクリアにります。
では、なぜそういう風に書けるのか。答えは「メール1通につき、ひとつの要件にしか触れない」という基本ルールを徹底しているからです。
同じスレッドのメールに要件(議論点)が複数あると、相手はそのそれぞれについて1通のメールが返信しなければなりません。
すると、どんどんメール本文の文章量は膨れ上がり、内容も煩雑になり、コミュニケーション自体もどんどん長くなっていく傾向にあります。
なので、メールの本文に書く議題は1つまでとしましょう。もし、2つ以上となってしまいそうな場合は、タイトルを分け、別のスレッドで展開すればよいのです。
「ふたつのメールを書くのはめんどくさい…」と思うかもしれませんが、どれかひとつの議論が長くなった場合のことを考えると、区切っている方が遥かにラクなのです。
2. 見出しやインデント、協調を活用して「見やすく」書く
文章はテキストなので、それ自体が論理的であれば問題ないと考える人もなかにはいますが、メールは別です。
受け取る相手のことを考えると、「すぐ」に「なにが論点か」を分かるメールが親切で、返信しやすいメールだといえます。
ただ、いくら議題が1つとはいえ、どうしても文章が長くなってしまい、ダラダラとした文字列が並んでいしまいそうなときもあります。
そんなときは「インデント」や「見出し」などを活用し、そのメールのトピックが視覚的にすぐに分かるように書くとよいでしょう。
これは、たとえばブログについても同じことがいえます。
いくらわかりやすく、面白いブログだったとしても、構成として大きな枠組みがパッと理解できないと「自分は何を読まされているんだ…」という気分になり、離脱されてしまいます。
それと同じで、ブログも内容の全体像をパッと把握してもらうための工夫があるかどうかで、受信側の理解度のスピードも格段に違ってくるものなんですね。
3. インライン返信を活用する
3つめはすこしテクニック寄りの話になってしまいますが、相手のメールへの返信は「インライン返信」を活用することをオススメします。
インライン返信とは、相手の本文をそのまま引用し、各文章に対する応答を書いていくという形式。
これを取り入れることで、質問への抜け漏れも防げますし、何か誤解があった場合もその部分をすぐに参照できるので、問題がこじれにくいというメリットがあります。
4.場合によっては、電話も取り入れる。
ここ最近「仕事で電話をするヤツは仕事ができない」みたいな記事を読んだりすることがありますが、必ずしもすべてのシーンにそれが当てはまるとは思いません。
10行の文章で説明するより、3分の電話で済ませる方が早い場合だってあります。
やはり、どうしてもテキストで伝わらないニュアンスはあるものです。
特にWebディレクターなら、デザイナーにデザインのフィードバックをするときや、エンジニアにフロントエンドの動きの演出について相談するときなど、口頭のほうが互いに説明がしやすいかと思います。
「電話は悪」と決めつけるのが一番の問題です。相手や状況を鑑みて、効果的に電話やビデオ通話でのコミュニケーションも図っていきましょう。
さいごに。
こうして振り返ってみると、結局メールの書き方において重要なことって「相手がいかに理解しやすいか」ということなんです。
これは、メールだけでなくほとんどすべてのコミュニケーションについて共通のメソッドかもしれません。
もし、「このメール、ちゃんと伝わるかな? どうかな?」と思ったときは、いちど「相手がこれを受け取ったらどう思うか」という視点で読み返してみることをおすすめします。
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