ブログについての悩みやハードルはたくさんありますが、最も大きく、かつ多くの人が直面するのが「そもそもブログが続かない」という問題です。
「ブログをはじめました!」という1記事だけで終わって屍と化しているブログはネット上にいくつもありますし、「頑張って定期的に書こう!」と思うけどなんだかんだ忙しくなったり、他にやらなくちゃいけないことがあってなかなかブログを書けない…、という人も山ほどいます。
10年、20年とひとつのブログを書き続けてきた人にしてみればまだまだですが、僕自身は「高校生くらいの頃からかかれこれ8年くらい、プラットフォームを変えながらブログを書き続けてきました。
さらに、ここ1〜2年は小説家の森博嗣さんのエッセイにどっぷりハマって、彼のエッセイを30冊近く手当たり次第に読んできたのですが、森さんのエッセイから「継続するために工夫できること」と、そのための考え方がわかってきました。
森さんのエッセイを読めば「ブログが続かない」なんて悩みがいかにスケールの小さいことか痛いほど分かります。
目を背けたくなる気持ちはわかりますが、ぜひそんなブロガーの方に読んでもらいたいオススメな森博嗣さんのエッセイをご紹介します。
目次
【基本】継続できない人は「継続できている人」をモデルにしてみるといい
まず大前提として、 なにか継続して物事を続けることが苦手な人は、「継続できている例」を見つけてロールモデルにしてみることをオススメします。
例えば、僕のブログですが、同じくブログで「manablog」「わかったブログ」「隠居系男子」という3つのブログを主に参考にしつつ書いています。
特に前者2つのブログについては、「【読者視点に立てば分かる】ブログに何度も似た記事を書くのは全然OKです」でもがっつり触れているので、そちらも見てみてください。
いずれのブログに共通しているのが、「高い頻度で更新され続けている」ことで、更新されている記事はほとんど全て読み、学んでいます。
「継続できている例」を見つけてずっと観察していると、
- それに触れること自体、モチベーションの上昇につながる
- 「継続のコツ」が分かるようになってくる
といった利点があります。
前者については、なんとなく想像できると思います。「やっぱり今日もやってんな」と毎日確認することで、多少やる気が出てきます。これは気持ち的な面での作用が大きいです。
どちらかというと後者の方が重要で、継続できている例を観察し続けることで、その人が取り入れている工夫や、ちょっとした変化、なぜそんなに継続できているか、といったあらゆる工夫が少しずつ見えてくるようになるんです。これが非常に重要です。
ブログを読み続けてわかった、継続のコツ
ちょっとここで、実例をあげてご紹介します。
ここでは「manablog」というブログを例にあげますが、ずっと過去の記事から遡って読んでみると、あるときを境に明確に記事の書き方が変わる瞬間を発見しました。
その書き方とは、「きっちりとした型をつくり、そこに当てはめて流し込んでいく」ような書き方です。具体的には示しませんが、その変化は顕著で「ここで書き方が明確に変わったな」というのが手に取るようにわかります。
この「自分なりの型をつくる」というのは、毎日物事を継続するうえではとても重要で「隠居系男子」にも同様のことを指摘されていました。
参考:毎日ブログを書くためには自分なりの型が必要。アイディアを型に流し込むとき、そこに“考える時間”が生まれる。
ロールモデルを見つけて観察を続けることは、こうした継続のコツを少しずつインストールするのに役立ちます。
なので、「ブログが続かない」という人は、まず「続いているブログ」を読み、研究することからはじめるといいと思います。
森博嗣の『道なき未知』『夢の叶え方を知っていますか?』がおすすめ
さて、本題です。
継続して更新されているブログの他にも、ぜひ読んでほしいのが小説家・森博嗣さんのエッセイ『道なき未知』『夢の叶え方を知っていますか?』です。
そもそも、森さんはこれまで20年近く、趣味の鉄道模型を作り続けてきた方です。現在も「店主の雑駁」というブログで、毎日その模様をきっちり7時に公開しています。
森さんは、このブログに限らず、これまで20年近く毎日ブログを更新され続けています。しかも、それは片手間に更新されたもので(といっても、最終的には書籍化するために書いかれている)、本業とはまったく別。
そんな、長期間特定の物事をひたすら継続されてきた森さんの言葉はずっしり重く、かつすぐにでも取り入れたい考え方がたくさんあります。
時間に対する考え方がアップデートされる『道なき未知』
『道なき未知』は、雑誌の連載コーナーをスピンオフし書籍化したもの。出版元が運営するWebメディアで一部公開もされています。
この本から学べるのは、何かを作り出すための時間の生み出し方について。
森さんは、「時間の作り方」として以下の方法をご紹介しています。全内容はこちらでも読むことができます。
たとえばの話だが、友達と話をするのをやめて、酒を飲むのをやめて、テレビを見るのをやめたら、ほとんどの人がけっこうな時間を手に入れることができるだろう。僕は、この三つはだいぶまえにやめた。どうしてかというと、躰が弱かったからだ。みんなよりも、ゆっくりとしたペースでしか仕事ができない。だから、無駄なことをしないで、時間を捻出する必要があった。
物事が続けられないことの最大の理由のひとつが「時間がないから」だと思うのですが、正直、上記の方法をそのまま試すだけでも解決できると思います。
というのも、僕は「毎日ブログを書きたい」「毎日8時間近く寝たい」と考えているので、基本家で酒は飲みませんし、飲み会は2ヶ月に1度くらいしか行きませんし、テレビもほとんど食事中しか見ません。
これは、まさに森さんの提言を受け入れて実行した結果なのですが、これだけでも毎日3時間くらいは脳みそがちゃんと活動する時間が確保できます。
何かを実行するには、なにかを辞める必要があります。
さらに、何かを実行し続けるには、なにかを辞め続ける(=それを習慣化する)必要があります。
ですので、「続かない…」と嘆く前に、まず普段の自分の時間の使い方を見直してみるといいんじゃないかと思います。何かを削ると、どれだけ忙しい人でも少なくとも数十分〜数時間はバッファができると思うので、その時間を使って実行すればいいのです。
継続してなにかを成し遂げることが具体的にイメージできるようになる『夢の叶え方を知ってますか?』
次にこちらの本。
「夢」をテーマに書かれた新書ですが、なにか壮大なテーマ(人生の目標)を掲げてコツコツ継続していくうえで、この本はとても参考になります。
まずは、自分がやりたいことをきちんと理解し、自分が毎日何をしているかを把握する。何に時間や金が消費されているかを数値化する。必ず、そこには無駄があって、知らず知らず、「しかたがないから」「みんながやっているから」「なんとなく、仲間になれそうだから」「ほかにやることがないから」といった理由を伴っているのだ。
自分の夢を実現するためのスケジュールについては、詳しくは後述するが、大事なことは、必ず実現できる範囲で、しかも安全率を見積もって予定を組むことである。最初はハードルを下げておくことをおすすめする。絶対に守れる約束を、自分に課す。それが第一である。多くの人が、夢といえば、「高い目標」と意識してしまうらしい。何故か、「目標は高い方が良い」などと教える指導者も多い。僕はそうは思わない。目標は低い方が良い。ようするに、目標なんて、「実現できてなんぼのもん」なのである。たとえ、高い目標を掲げたとしても、そこへ向かう道筋の一段一段は低く設定しておこう。踏み外さないように、勾配の緩やかな安全な道を選ぶ。日々その一段を確実に上ることが、充実感をもたらし、また自信にもつながるはずだ。
これまで、「夢」というきわめで抽象的な概念に対して、ここまで具体的にリアリティを持って語られた本は読んだことがなく、はじめて読んだときはとても感銘を受けた記憶があります。
まず、あなたは「夢」に対して「スケジュール」という概念を持ち出して考えたことはありますか?
夢なので、どうしてもぼんやりと、「いつかは…」「将来は…」というレベルの解像度で考えてしまうものじゃないでしょうか。
この本を読むと、自分の実現したい夢をいやでも向き合うことになりますし、またそれを叶えるための考え方をたくさんインストールできます。結局、「夢」を叶えるには「継続すること」は欠かせないので、ぜひこの本も読んでおくことをオススメします。
まとめ
今回は、「ブログが続かない…」という人向けに、読むと参考になるブログと森博嗣さんのエッセイ2冊をご紹介しました。
森博嗣さんの本を読むたび、「なんて自分は小さいスケールで物事を捉えているんだ…」と絶望し、そしてより長期のスパンで物事を考える尺度を手に入れられます。
ブログに限らず、なにかを継続するには「コツ」「工夫」があり、考え方ひとつで日々の行動も変わってきます。
最後は少し抽象的なメッセージになりましたが、まずは自分なりのロールモデルを見つけ、継続するためのコツを考えてみるところからはじめてはいかがでしょうか。
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