今年、はじめて参加しているKoshiki DESIGN CAMP2017。
甑島に挑む、デザインの夏合宿|Koshiki DESIGN CAMP 2017 (コシキデザインキャンプ)
プログラムは第3回まで組まれており、8/26-27の2日間で、その第2回目に参加してきました。前回の参加から1ヶ月半近く期間が空いたので、すこし久しぶりな感覚。いずれにせよ、「夏休み」という認識には変わりありません。
そもそも、このデザインキャンプの趣旨は以下のとおり。
一昨年より、甑島をフィールドに滞在型の地域企画やプロダクト、グラフィックなどの制作を行なうデザイナーズインレジデンスなる「KOSHIKI DESIGN CAMP」をひそひそと手弁当で開催してきました。
今年は、これまで以上にこの活動を対外的な取り組みにしていこうと動いています。「しまの余白で遊びながら、未来をちょっとだけ面白くする」そんなことを想いながら今年は、デザインキャンプの参加者を10〜15名程度募集したいと考えています。
僕らは、このキャンプを主催している東シナ海の小さな島ブランド社のヤマシタケンタさんにお声がけをいただき、初回から参加させてもらっています。
また、第2回目にはゲスト講師としてプロジェクトデザイナの古田秘馬さんがいらっしゃり、1時間程度の講演もされました。初回は特になにも記録したりしていないのですが、せっかくなので今回から感想をブログに書いていこうかなと思います。
目次
「観光地づくり」から「関係値づくり」へ。
古田さんの講演はとにかく情報量が多く、重要なことをいくつもお話されていたのですが、そのなかでも特に印象的なフレーズが「地域のビジネスにおいて、これからは(もうすでにそのトレンドはきているが)、『観光地づくり』から『関係値づくり』が重要になる」というもの。
これは「まあ、そうだよね」と思えるくらい、いまでは地域の活性化においては必要な要素として一般認識となりつつあると思います。そして、個人的に甑島との関係性を客観視したときにも、「まさにそのとおりだな」と、とても納得のいく話です。
事実、20歳まで鹿児島県の霧島市というところで住んできた自分にとって、甑島は「鹿児島にあるっぽい、離島のひとつ」という認識でしかありませんでした。「観光地」としての魅力は、同じ鹿児島の屋久島や奄美に劣る(っていると思っていた)し、特に行きたいとも思っていなかった。
けれど、現時点で鹿児島にUターンして戻ってきて半年の間に、もうすでに3度も訪れているわけです。全く興味のなかったはずの離島に。
これはひとえに、僕と、甑島とそこに住んでいる住人(主に、ヤマシタケンタさん)というふたつの要素の関係が成立したからこそだと言えます。そのきっかけや、つながりの濃さ、はどうであれ、その関係が生まれたという事実がとても重要です。
甑島は、その関係の生み出し方が抜群にうまいから、自然と「あそこ、なんか面白いよね」と言われるような空気感が醸成されるまでになっているのだなと。
関係を生み出すには、どうすればいいのか。
こうした成功事例があるなかで、同じように追随したいその他の地域が考えることはひとつ。「どうしたら、地域外の人たちと関係を生み出すことができるのか?」です。
その答えについて、現時点で自分なりに考えて出たのが、
(1)多様なタッチポイント
(2)ちょっとハードルの高いコミットメント
(3)ある程度の強引さを持って、人を引き込むこと
の3つかなと。
(1)多様なタッチポイント
(1)は、分かりやすいと思います。イベントでも、SNSでも、ブログでも、印刷物でも、なんでもいい。まずはどんな形であれ、いろんなところにタッチポイントを置いておくことが必要。
そもそも知るきっかけのないところに、関係は生まれません。
(2)ちょっとハードルの高いコミットメント
つぎに、「ちょっとハードルの高いコミットメント」。これは、いままさに感じていることです。
やはり観光地として、ただ「消費」をするためだけを目的にしている人とはなかなか関係が結びにくいものです。これまで行った観光旅行の土地を振り返ってみてください。なんらかの関係が維持できているところはありますか? そうそうないんじゃないかと思います。
あるとすれば、ちょっと負荷の高いコミットメントを提供したことがある土地ではないでしょうか。関わり方はあまり関係がなく、コミットメントの総量が多ければ多いほど、後に関係が維持される可能性は高いんじゃないかと考えます。
つまり、その地域外に人に、「消費」以外の時間やお金の使い方、価値観、関わり方を提供することがすごく重要になるということです。
(3)ある程度の強引さを持って、人を引き込むこと
(3)は、意見が分かれそうなところですが、地域のリーダー的存在の人にはある程度の「強引さ」が必要なんじゃないかと思います。
それで、拒絶されてしまったり、嫌悪感を示されてしまうような人は、そもそも関係を結ぶべきではない/結ぶ必要がなかった人、と割り切ってしまう勇気も必要なのかなと。
心理学的な面でもいうと、その強引さによって、なんども接点が生まれると、自然と「あれ、この地域のことが好きかも」みたいな感情(錯覚)がうまれることもあります。それをネガティブと捉えるか、ポジティブと捉えるかはさまざまですが、こういうスタンスをとるということも一考の価値はあるんじゃないかと思います。
最後に
まだまだ、甑島に行った回数も少なく、「何を知ったかぶりしているんだ!」と怒られてしまいそうですが、上記のように感じていることは紛れもない事実。
このタイミングで感じていることを書き残すことが重要だと思い、書いてみました。少なくとも、僕にとって甑島は、知ってからずっと「気になる場所」であり続けていることは間違いありません。
あっ、このデザインキャンプの成果物については、いろんなアイデアをもとに考えています。まあ、なにか出てくるんじゃないでしょうか。
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