青木大介さんの著書『バス釣りがある日突然上手くなる』という本を読みました。
バス釣りがある日突然上手くなる (釣力UP!壁を破る超常識シリーズ)
青木大介さんといえば、日本のバスプロのトップ層がしのぎを削るクラス「TOP50」で2017年には年間チャンピオンにも輝いており、正真正銘、今日本一強いバスプロです。
とはい、正直「『ある日突然上手くなる』なんて、なんて大げさな……」と思っていました。
けれど、実際に読んでみると、とても納得感のある内容ばかりで、「だから青木大介がこんなに強いのか……」とその強さの秘訣が分かる内容になっていました。
- もう一段階レベルアップしたい「中級アングラー」
- バス釣り釣り上達のためのポイントを抑えておきたい初心者
目次
自称「中級アングラー」が真に「中級アングラー」にステップアップするための本
この本のターゲットは、自称「中級アングラー」です。
まえがきで、青木さんがこの本のターゲットについて言及しているので、少し引用します。
私は、そんな方たちに向けて本書を書きました。次のようなことをずっと心の中で問いかけながら。
「ここから先は、釣りの基本や定説にとらわれることなく、もっと考えて釣りをしてほしい。たとえ、ハリ一つにしても、それを選んだ理由を!」
なので、本書では専門用語がバンバン飛び交いますし、いちいちその解説もありません。
ある程度バス釣りの基礎を抑え、釣果も出ている自称「中級アングラー」が、壁を乗り越えて次のステップに進むための本なのです。
本書の構成
本書の構成は以下の通りです。
- 知らなきゃ大損! テクニック以前の超常識
- それでいいのか? タックル大検証
- 釣果アップを促進する7キーワード
- 「自称中級」が落ちる穴
- まだある! 明日へのヒント
1,2章の序盤では基礎的ま知識にも触れますが、それ以降は基本的に実践的な内容が多くなっています。
「冬のバスは釣れない」はウソ?
1章では、季節パターンに関する解説も書いてあるのですが、そこで目からウロコだったのが「冬」のパターンについて。
冬のバスフィッシングはなかなか釣れないイメージが強く、「オフシーズン」とすら捉えられている風潮もありますが、実はまったくそんなことはないんだとか。
しかし、冬もバスフィッシングは成立します、決してオフシーズンではありません。バスフィッシングは一年中楽しめる釣りです。もちろん冬は四季のなかでもっとも厳しい季節であり、ノーフィッシュ・ノーバイトは当たり前(苦笑)。それでも、バスの行動パターンを調べていけば確率はグンとアップし、コンスタントに1尾を手にすることができるようになります。
その冬のバスフィッシングにおいて最も重要なのが、「寒さ(水温)」ではなく、「水温の安定」なのだそう。
具体的には、風の当たらないエリアや、小規模なエリアなど、より安定した水温の場所を見出すことが、釣果につながるのだといいます。
また、3章の釣果を促進する7キーワー」の項目では、
- 「ズル引き」の重要性
- 「ステイと早巻き」の本当の難しさ
- 初めての釣り場でどこに目をつけるか?
など、明日からでも使えるTips的な要素と、釣果アップのためのベーシックなテクニックについて解説されてあり、幅広く役立つ本だという印象を受けました。
中級アングラー必読の第4章
そして、自称「中級アングラー」がもっとも耳が痛いであろう項目が、第4章。
- キャスト精度の重要性
- 慣れていないフィールドに行くときに手も足も出なくなる人の対処法
- 「結局、コレ」という最終手段に頼らない
などなど、「そういえば、たしかにそうだな……」とちょっと読んでて心苦しくなる指摘が並びます。
ただ、そのどれもが核心をついているので、ものすごく納得感があります。
青木さんが、いかにフィーリングではなくロジックの積み重ねで今の地位に上り詰めたかが分かるような丁寧な解説で、バスプロの実力、知識の深さ、経験の豊富さを改めて思い知らされました。
青木大介の強さは「イメージ」の解像度の高さにある
本書のなかで、最も印象に残っているのが『イマジネーションの重要性』という項目です。
青木さんがバス釣りにおいて最も大事にしているのが、「イメージ」することなのだそうです。
バスの状態や、ルアーアクションのひとつひとつを、ちゃんと想像し、その結果バスを釣り上げることが、次の釣果への再現性をもたらし、ひいては釣力アップに繋がるのだと、青木さんはいいます。
何でも構いませんからまずはひとつ、イメージをもって釣りをすることを強くお薦めします。そのひとつを膨らませることが、きっと、上達の糸口になるでしょう。
私が考えるバスフィッシングで上達するための基本姿勢は、「自分のすべての行動に対して理由を持つこと」です。そうしてイメージどおりに釣った経験を重ねれば、際限なく面白くなっていくのがバスフィッシングです。
要は、「仮説」をもって取り組むということ
これは、バスフィッシングだけでなく、どんな仕事、趣味にも当てはまる金言だと思います。
僕は、この青木さんのアドバイスを「仮説を持って取り組むことの重要性」だと解釈しました。
どんな領域、ジャンルにおいても、仮説を立てて、実施し、検証するサイクルが、最も上達への近道なのです。
バスフィッシングにおいても、
「今日はこういう天候で、こういうロケーションだから、このルアーをあそこに投げて、こういう動かしかたをすればいいんじゃないか?」
というような仮説をもって釣りをすれば、それが当たるにしても外れるにしても、フィードバックとして返ってくるので、次の対応が考えやすい。
むしろ、この考え方がないと、ただただ釣れてもそれはマグレだし、再現性が高いとは言えない。釣りの実力アップには繋がらないんですね。
仮説検証型の釣りにおすすめなのが、「クリアウォーター」での釣り
そして、そのイマジネーションを磨くためにおすすめなのが、「クリアウォーターでの釣り」なのだそうです。
短時間で、しかも現実に近い精度のイメージ力を得るにはどうすればいいか。そのためには、実際のバスの反応やルアーアクションを見ながら釣りをするのが手っ取り早い。つまり、クリアウォーターに通い込むのが近道となるのです。
マッディーウォーターだと、どうしても想像するしかないので、まだイメージが掴めない頃はクリアウォーターで見ながらイマジネーションを磨いていくのがいいのだと。
バスフィッシングの上達には、「◯◯のルアーがよく釣れる」とか「△△池では、▲▲パターンがハマる」といったような即効性のTipsだけでなく、こうした地道な基礎力の向上が必要なんですね。
まとめ
自称「中級アングラー」向けの本でしたが、まだ初心者レベルの僕が読んでも、とっても参考になる内容ばかりでした。
なかなか釣果が奮わない方や、もうひとつ上のステップに行きたい方は、読み込んでおいて損はない本だと思います。
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