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【2018年最新】未経験のWebディレクターがまず読むべき関連本12冊

「Webディレクション」という職種の幅はとても広く、様々な分野における知識が求められます。

また昨今ではデジタル領域におけるマーケティングの手法も多様化し、ひとくちに「Webディレクション」といってもそのスキルや実務の幅は多岐にわたります

現在、Webディレクターとして仕事をするようになって1年9ヶ月くらいが経ちますが、基本的に常に手探りの状態です。

そのうち、会社員として働いていた頃の期間は半年ちょっとなので、先輩から学んだり、技を盗む、ということがほとんどできませんでした。

デジタルマーケティングを手がけるIT企業にいたものの、十分な実績や経験を積むことなく独立したので、ほとんど独学で覚えていくほかありませんでした。というか、今もそうです。

「Webディレクション」は経験がものを言う世界

Webディレクションという業務領域は、かなり「経験」が重要視されます。

その一つの大きな理由が、「基本的に協働することを前提としたポジションだから」です。

たとえばデザイナやエンジニアは、ものにもよりますが、制作物のほとんどすべてのワークフローを自分ひとりで完結することができます。

デザイナならグラフィックやロゴ制作、エンジニアならWebコンテンツや、アプリといった具合です。

なので、一人でもどんどん経験を積むことができます。

けれど、Webディレクターはそうはいきません。そもそもそうした特化型のスキルを持った人たちを束ね、プロジェクトを管理・指揮し、前進させるための存在なので、自分ひとりだと務まらないんですね。

ゆえに、なかなか一人でWebディレクションに関わる業務の経験値を積み上げていくのは難しい。

ディレクションのノウハウは属人化しがち。

そして、何より僕が「難しいな」と感じているのが、この事実。

Webディレクションのノウハウ、スキルはとても属人化しやすく、なかなか体系的に学習する機会というのはないんですね。

社内勉強会が頻繁に行われていたり、都心に住んでおり、Webディレクション関係のイベントにすぐに参加できる、という人はとてもいい環境なので、ぜひ続けていただきたい。

けれど、そうじゃない人は、どうすればいいか。

その答えのひとつは「本から学ぶ」ということ。自分で経験を積めないなら、他者の経験とノウハウが詰った本で補ってしまおうということです。

僕もこれまで、とにかく仕事において分からないことや、ステップアップしたい領域があればとにかく本を読んできました。

というわけで、まだまだ僕は新人Webディレクターに毛が生えた程度ですが、同じ境遇にいたり、Webディレクターになったばかりだけどどうやってプロジェクトを進めていいか分からない…、という初学者に向けた「未経験(若手)Webディレクターが読むべきである本」を10冊セレクトしてみました。

1.『Webディレクションの新標準ルール』

まず1冊目は、現在におけるWebディレクションの標準的なワークフローを網羅的に解説してくれているこちらの本。

広く浅くディレクション関連業務に触れているという印象なのですが、決して内容が薄いということはなく、新人ディレクターにとってはとても参考になる点が多いはず。

個人的には、組織そのものや、各人のノウハウに依存しがちな「工数計算」や「進行管理」といった企画や設計フェーズに関するチャプターで、役に立つ部分が多いと感じました。冒頭にも、このような記述があります。

本書では、ディレクションの目的と役割を最初に上げ、企画・設計といったプロジェクトの上流工程に重きを置いて、プロジェクトを進めるうえで曖昧になりがちな点について多くの情報を掲載しました。

こんなディレクターにオススメ!

  • 「そもそもディレクションとはなんぞや…」という初学者、新人ディレクター
  • Web制作における上流工程について、体系的に学びたい!という人

Webディレクターにオススメのアプリやメソッドなどを他の記事でも紹介しているので、ぜひあわせて読んでみてください。

Webディレクターがブックマークアプリ・Stacheを使うべき3つの理由。

 

2.『超実践的 Webディレクターの教科書』

日本ディレクション協会」会長の中村健太さんらが書かれた、こちらの本。日本ディレクション協会とは、ディレクションにまつわるコミュニティの形成、イベント運営、情報発信などを行う団体。

開催している各種イベントでは、ディレクターとして身に付けておかなければいけないスキルや、もっと広くビジネス全般のことなどをテーマとし、精力的に活動しているようです。

この本は、「超実践的」と書いてあるように、Webディレクターによる、Webディレクターのための実務寄りなノウハウが紹介されています。

特に前半のチャプターでは、「ディレクターのよくある悩みとバッドエンド回避策」として4つの「あるある」なシチュエーションとともに、その解決策が紹介されています。実務経験が長い人ほど、共感できる内容となっているのではないでしょうか。

個人的には、タスクのチケットの扱い方などの進行管理と、現代のWeb制作に合わせたチームビルディングに関するチャプターがとても参考になりました。このあたりのノウハウについては、属人的になりやすいか、そうでなくても会社という組織にしか貯まらないことが多く、なかなか紹介されることはありません。

そうした、ディレクターが知りたい、かゆいところに手の届く内容が多く取り上げられており、「明日から取り入れてみよう!」と思うような内容がたくさんつまっています。

こんなディレクターにオススメ!

  • そもそも「ディレクション」についてあまりよく分かっていない…、という人
  • クライアントとチームの両サイドと、うまい関係が築けず、仕事で消耗することが多い…、という人

 

3.『失敗しないWeb制作』

プロジェクトマネジメント関連本からはこちら。新卒入社したデジタルマーケティングの会社で、優秀なWebディレクター/PMの先輩に勧められた本です。

「そんなの要件にない…」「メンバーのモチベーションが落ちた…」「仕様がコロコロ変わる…」など、Web制作にはそうした落とし穴と常に隣り合わせです。

この本は、そんな「Web制作において失敗しがちなこと」を起こさないため、PMBOK(Project Management Body of Knowledge、プロジェクトマネジメントの知識体系)を通してプロジェクト管理を学ぶことができます。

プロジェクトの提案から受注〜運用に至るまで、Web制作のフローに沿ってプロジェクトマネジメントのセオリーと現場での応用方法が紹介されています。

こんなディレクターにオススメ!

  • 多くのリソースが動く大規模プロジェクトにPMとしてアサインされた!
  • 今後、PMもできるディレクターとしてステップアップしていきたい、という人

 

4.『沈黙のWebマーケティング』

Webマーケティングの知識は、僕もいま現在進行形でどんどん溜めて、学習している最中なのですが、そのなかで最も役に立っているのがこの本。

装丁のちょっと奇抜な雰囲気や、本の厚さ(3cmくらいあります)から、書店で見かけてもなかなか手に取りづらいのですが、実はめちゃくちゃいい本。「Webマーケティングとはなんぞや?」という超初歩的な疑問をすんなり解決してくれました。

イラストの多い対話風のインターフェイスで展開されており、サクサク読めるのも特徴的。本は分厚いですが、すぐ読めます。

また、ストーリー仕立てになっており、Webに関して素人の主人公と一緒に基礎をどんどん学んでいくという形式です。

ところどころ謎の必殺技?みたいなのがあったり、登場人物もややふざけている感は否めないのですが、中身はかなり充実しており、Webマーケティングにおいて必須項目は一通り触れられている印象。とてもオススメの1冊です。

こんなディレクターにオススメ!

  • 実制作のディレクションだけでなく、サイトの運用・改善まで包括的に見られるディレクターになりたい、という人
  • マーケターとして活動しているが、思うように成果がでない…、という人

 

5.『10年つかえるSEOの基本』

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SEO関連の入門書はこちらをセレクト。

「10年つかえる」と書いてあるだけあって、即実務に応用できるTips的な内容というよりは、SEOという概念を根本から理解することに主眼を置かれた内容がほとんどです。

テクニック的なところではなく、「SEOの考え方」をまず定着させるための本、という位置づけで読むのをオススメします。

中身のデザインも一工夫されており、地の文が列記されているのではなく、登場事物どうしの会話というテイストでどんどん話は進んでいきます。

なので、とてもサクサク読むことができ、僕の場合はトータルで2時間くらいで読み終わりました。それくらいのボリューム感です。

「SEO」というと、すぐに効果を生む具体的な手法について語られがちですが、ここまで徹底してその根底にある考え方を伝えようとしている本はなかなかないと思います。

他の本でTips的な知識も取り入れつつ、こうした本で定期的に考え方を整理していくのはいいですね。

こんなディレクターにオススメ!

  • そもそも「SEO」がなにかあまり理解していない、という人
  • 自社サイトでSEO対策に明け暮れるも、効果がでない。改めてSEOについて1から学んでみたい、という人

 

6.『Googleアナリティクス Web解析の現場で使える実践ワザ240』

アクセス解析に関する本は多数出ていますが、いくつか読んだなかで一番良いと思ったのはコチラ。

Google Analyticsのようなツールは、一度概要さえ抑えればあとは自分で管理画面をこねくり回してみるのが一番定着は早いと思います。そのなかで、この逆引きスタイルはとても助かります。

基本機能の説明から、解析の上級者が行うような高度な分析方法まで網羅的に取り扱っており、普段から何らかのウェブサイトのアクセス解析を行っている人はとりあえず持っておいていい本だと思います。

こんなディレクターにオススメ!

  • サイト改善のためにアクセスログを見ているが、どこをどう見ていいか分からない、という人
  • 普段から基本的なログ解析は行っているが、もう少し踏み込んだ高度な解析をしたい、という人

 

7.『いちばんやさしいコンバージョン最適化の教本』

こちらは、コンバージョン最適化ツール「Sprocket(スプロケット)」を開発する、株式会社Sprocketの代表・深田さんという方の著書。

理解していそうで、浅い知識で止まってしまっている「コンバージョン」について、正しい理解を深めるところから、実際に自社サイトやクライアントのサイトで成果を出すための知識が体系的にまとめられている本です。

提案書を書く際にこちらの本を参考にしましたが、的確なKPIツリーの設計やKPIの数値改善のために実施する施策の選定の方法など、実務に直結する内容が幅広く網羅されており、めちゃくちゃ参考になりました。

こんなディレクターにオススメ!

  • サイトの数値を改善しなきゃいけないが、何から手を付けていいか分からない…、という人
  • サイト改善のためにPDCAを回しているが、イマイチ成果につながらない…、という人

 

8.『ノンデザイナーズ・デザインブック』

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『ノンデザイナーズ・デザインブック』はその名の通り、メインでデザイン業務には携わらない人(=ノンデザイナーズ)のためのデザイン指南書です。

名刺やフライヤーといった紙のデザインを主に扱いながら、「近接」「整列」「反復」「コントラスト」の4つのデザイン基本原理をひとつひとつ丁寧に解説されています。

そう、すでに書いてしまいましたがデザインの基礎において重要なのは、たったこの4つなのです。

ディレクターにとって、デザイナーへのデザインのフィードバック以外にも、クライアントに提出する資料の体裁を整えたり、プレゼン資料を作ったり、デザインの観点が求められる場面は多いはず。

それに、一度じっくりと理論を叩き込んでおけば、それは次第に定着し、じわじわとボディブローのように役に立ってきます。もし、「デザインの基礎を改めて学びたい!」という人がいたら、必ずオススメする一冊ですね。

こんなディレクターにオススメ!

  • 正しい根拠を持って、デザインに対するフィードバックができるようになりたい、という人
  • Web制作に関する経験が浅く、デザインもしっかり学んだことがない…、という人

 

9.『20歳の自分に受けさせたい文章講義』

現代のWeb制作のワークフローにおいて、社内外問わずメインのコミュニケーションツールは、テキストです。メールも、Slackも、LINEも、Messangerも、すべてテキストを介して考えを伝えることが前提となっています。

人の心を動かすような情緒的な文章や、読む人をグイっと引き込むエモい文章を書けるようになる必要はありません。

けれど、「自分の考えをストレートに伝える」ということが十分にできなければ、やり取りは複雑化していきますし、その分コミュニケーションロスも増えていきます。

そうした、「伝えやすい文章」を書くにはどうすればいいかを学ぶために、この本はとても役に立ちます。僕はこの本を21歳のときに読んだのですが、あと3年早く出会っていれば…、ととても惜しい気持ちになったのを覚えています。

テキストでのコミュニケーションが上手に取れるディレクターは、一緒に仕事がしやすいですし、その分信頼されます。そして、次につながります。

デザインと同じで、「文章術」というベーシックなノウハウだからこそ、一度集中して身に付けておくとよいと思います。

こんなディレクターにオススメ!

  • テキストで長文を送るのが苦手…、という人
  • ときどき、自分の考えをうまくテキストで説明できないことがある、という人

 

10.『人を動かす』

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「ん、なんでこんなところで急に『人を動かす』?」と思った方もいるかもしれません。

けれど、僕自身ディレクターとして仕事をする上で、この本の考え方がすごく役に立っていると自覚しています。

ディレクターは、周りの人たちとコミュニケーションを取りながら、プロジェクトを前に推し進めてくという役割を任されます。

それゆえに、ちょっとでも人間関係に不和ができると、思うように案件が進まなくなる…、ということもしばしば起きます。

だからこそ、「いかに、気持ちよく人に動いてもらうか」という点について、ディレクターは常に気を張っておく必要があると思っています。

これはクライアントに対してもそうで、「関わる人みながハッピーになれる」ことをディレクターとしては目指していきたいものです。

そうした、心地よい人間関係を構築するために、『人を動かす』に書かれている内容はとても役立ちます。というか、ディレクターに限らず、多くの人にとって役立つ、ある種の「真理」のようなものだとすら思います。

これを読んで、人とのやり取りのしかたを全面的に見直しましたし、十分すぎるほどの効果があると感じています。

こんなディレクターにオススメ!

  • チームメンバーとうまく連携がとれず、気持ちよくプロジェクトが進行できない…、という人

このブログでは、コミュニケーションについて他にも記事を書いているので、そちらもぜひ読んでみてください。

 

 

11.『サブスクリプション・マーケティング』

デジタル上のマーケティング手法は日々進化しています。当然、ビジネスの根幹ともなるWebサイトに、それらが反映されることもあるでしょう。

ただ制作進行だけをしていたり、Webサイトを作るだけの仕事をするのであれば必要ないかもしれませんが、プロジェクトの上流工程に食い込んで仕事をしたいディレクターにとって、マーケティングの理解は必須といえるでしょう。

近年だと、特に事業モデルとして注目されているのが「サブスクリプション・モデル」。Netflixや、ミールキット販売などで耳にしたことがある人もおおいと思います。

『サブスクリプション・マーケティング』は、そうしたサブスクリプションモデルの特徴や、なぜいま台頭してきたかという背景などについて、初心者に向けてわかりやすく書いています。

こちらの本については書評も書いていますので、詳しくは「【書評】『サブスクリプション・マーケティング』は新時代のマーケター必読書」の記事もどうぞ。

こんなディレクターにオススメ!

  • 新時代のマーケティング手法「サブスクリプション・モデル」について理解を深めておきたい人

 

12.『いちばんやさしいInstagramマーケティングの教本』

最近のWeb周りの案件ですと、「Instagramも活用」というケースがとても増えているように思います。それこそ、爆発的に増えてる印象です。

そこで、「Instagramのマーケティングについて知りたい」と思ってただInstagramのアプリを立ち上げてフィードを眺めているも、分かることには限界があります。

そんなとき「いちばんやさしい」シリーズはめちゃくちゃ強い味方になります。もちろん、Instagramマーケティングについての本も登場しています。

こちら、Instagramマーケティングを専門で行っている会社の代表の方が執筆された本で、現役で最前線でデータを見ている人ですので、信憑性はあり、実践的で役立ちます。

こんなディレクターにオススメ!

  • プロジェクトでInstagramで活用することになり、最新情報を知りたい方

 

最後に

今回は数量を限定したので、かなり絞った選書になりました。

Webディレクションの業務は多岐に渡るので、ここでは紹介しきれていないジャンルは山のようにあります。

Webエンジニアリング、Web広告、Eコマース、SNSマーケティング、Webシステム、インフラ、Webライティング、UI/UXデザイン、法務…、などです。

ほんのごく一部の紹介ですが、僕と同じように学習機会を欲している新人Webディレクターの方々にとって、何らかの参考になれば幸いです。

なお、Webディレクターが付加価値を高めるための「Web制作/プログラミングのスキルを身につける」という方法について、「Webディレクターが制作スキルを持っておくべき理由と学習方法【付加価値が重要】」の記事で詳しく書いているので、こちらもぜひ。

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