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【書評】『サブスクリプション・マーケティング』は新時代のマーケター必読書

最近(2017/11月下旬)発売されたばかりの『サブスクリプション・マーケティング モノが売れない時代の顧客との関わり方』という本を読んでみました。

書店でパッと目について「おもしろそうだな」とあまり考えずに購入したのですが、結論から言うと、あらゆるサブスクリプション系のサービス提供に関わっている人に読んでほしい良書でした。

以下、読んで気になった部分についてレビューします。

MEMO
特に、本書で強調されている「価値の育成」という概念は抑えておきたいポイント! 既存顧客向けのマーケティングの重要性を確認できます。

サブスクリプションサービスの事業に役立てるべく、購入

今でこそサブスクリプションサービスは、Netflixやhuluといった動画配信サービスをはじめ、各種BtoBのツールなどで広く用いられている購買方法です。

企業でなくとも、個人でもなにかしら1つくらいは登録して定期的に課金しているものがあるんじゃないでしょうか?

近年では、新聞や雑誌、動画といったメディアだけでなく、お酒コーヒー、すぐ料理ができる食材キット、花、おもちゃなどサブスクリプションサービスのジャンルも多岐に渡っており、今後もその流れはどんどん大きくなってきそうな風潮を感じます。

そもそも、僕ら会社で最近はじめた事業も「晩酌」をセットで毎月届ける定期便サービスで、この事業において、なにか参考にできる本はないかと書店を探していたところ、見つけたのがこの本、というわけです。

参考 だいやめキッチン - 体にやさしい、晩酌を。

今日(2017年11月28日)現在、Amazonの本ジャンルで「サブスクリプション」と検索してもこの本しかめぼしい本は見当たらないところをみると、サブスクリプション専門書は国内初なのではないでしょうか。

近年、サブスクリプションモデルは急速に広がっており、今後も加速していく

本書は以下のような3部構成となっています。

  • PART1 サブスクリプションシフト
  • PART2 価値育成のための戦略
  • PART3 戦略の実践

まずPART1において、購買活動のサブスクリプション・シフトについて述べられています。

サブスクリプションがすべてのビジネルモデルにとって代わることはないだろう。

サブスクリプションはあらゆる業界のあらゆる分野で同じように広まっているわけではない。

だが注意深く観察すると、ほぼすべてのところでサブスクリプションというトレンドが生まれているのが分かるだろう。(引用/P41)

サブスクリプション型のビジネスを支援するソフトウェアを開発しているズオラのCEOとなると、「5年以内に私たちは何も買わなくなり、すべてをサブスクリプションという形で利用するだろう」とまで提言しているのだそうです。

さすがにそれは行き過ぎたポジショントークであるにせよ、周りで起こっているサブスクリプション・シフトをみると「あながち、絶対ないとは言い切れないかも…」という気になってきます。

本書のPART1では「サブスクリプションへの移行」という章も設けられており、スタートアップでサブスクリプションサービスを立ち上げる場合だけでなく、既存の小売メーカーなどがサブスクリプションモデルへ移行する場合の手順や注意点などについて触れているのも特徴です。

サブスクリプションモデルを採り入れると、営業、財務、研究開発、カスタマーサクセスなど、会社のさまざまな部署に影響が及ぶ。

ビジネスモデルを転換するにせよ、従来モデルにサブスクリプションサービスを加えるにせよ、解決するべき課題は多い。(引用/P51)

ここでは、海外の事例も含めてサブスクリプションへの転換を詳細に解説しています。

細かいところまでは引用できませんが、気になる方はぜひ手にとって読んでみてください。

本書でもっとも強調したい契約後の「価値の育成」

本書を買ってよかったと思った最大の要因は「価値の育成」という発想をインストールできたことに尽きます。

旧来のマーケティング部隊は、いかに見込み顧客に商品・サービスを購入してもらうか、というところに注力していればよかった。その後はCSチームにバトンパス、というのがお決まりでした。

けれど、「サブスクリプションモデルでは、それは通用しない」と筆者は言います。

見込み顧客から契約を取り付けると、顧客は毎月のようにお金を支払ってその商品・サービスを継続的に利用するわけですから、その後のフォローがとても重要になってくる。

本書ではそれをゴルフの「フォロースルー」になぞらえて紹介していますが、まさにこの動きが必要なのです。

「価値の育成とは、顧客の価値体験をサポートすることである」

購入以後の顧客に対するフォローが必要なのはわかった。

じゃあ、「価値の育成」ってなに?という疑問が出てくるのですが、これはざっくり言うと「既存顧客向けのマーケティング活動」です。

契約が結ばれると、他の部署の出番になる。だが、マーケティングチームはまだ重要な役割を担っている。契約が期待通りの成果につながるよう顧客を導くのである。

(中略)

そして、創造的なマーケターはコンテンツ、コミュニティ、新サービス、質の高い関係などを通じて、商品、サービス以外のところで価値を高めていく。(引用/P74)

この記述はホントに目からウロコでした。

商品・サービスをサブスクリプション契約してもらうだけでは、それはただ「契約してもらった」に過ぎず、その商品・サービスの持つ本当の価値を感じてもらえているかは別問題

なので、マーケターはあらゆる手段を尽くして、その商品・サービスに価値があること、契約してよかったと思えるようなこと、を顧客に認識させる必要があるのです。

これがうまくできていれば、顧客は「このサービスを選んでよかった!!」と強く思います。その結果、全体として解約率も下がっていくでしょうし、ロイヤリティの高い顧客が増え、商品・サービスの口コミまでしてくれる可能性だってあります。

たとえば、Netflixを契約している人ならわかると思うのですが、時おり「今日は○○本の新着映画があります」といった通知がきていることがあります。

これをみると、「おっ、Netflixやるやんけ。もっといろいろ観てみよかな」という気持ちになります。

これもまさに、一種の既存顧客向けのマーケティングとも言えるでしょう。これで視聴を繰り返すユーザーはどんどんNetflixから抜けられなくなり、「解約」なんて考えもしないようなロイヤルカスタマーへと成長していくのです。

なので、サブスクリプションモデルにおいて、既存顧客へのマーケティングは見込み顧客の創出、顧客化と同じかそれ以上に重要なのです。

何度もいいますが、本書ではこのことを特に強調して伝えようとしています。

最後に

サブスクリプションシフトと価値の育成についてたくさん述べましたが、これは本書のエッセンスのひとつにすぎません。

PART2以降では、「じゃあ、どうやったら価値の育成ってできるの?」という方法論について、じっくり事例を交えて説明しています。

サブスクリプションモデルへの以降を検討中のプロダクトマネージャー、スタートアップの経営者などの方は必読の本だと思いました。

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